2013年4月25日木曜日

【2013/4/24】底なしのイマジネーション

今回の稽古は展示室。
ウォーリーさんは他の仕事の都合で遅れるとのことで、とりあえずみんなで舞台を飾ります。


ウォーリーさんが来るまでに、まずは前回の課題その1を順番につくっていきます。

①がくりょう
58Pより『名前の紙』 http://youtu.be/P1Y5DlZblHs
「待合室にいるあいだに名前をたくさん考えた」というエピソード。
まずは横一列にならんで座った人たちが名前を書いた紙を隣のひとに渡していく。
つぎは紙をじっと見ながら渡していく。
今度は上下に蛇行させながら渡していく。
がくりょうはそれを後ろから追いかける。みんなはがくりょうに追いつかれないように、覗かれないように渡していく。
54Pより『本かくれんぼ』 http://youtu.be/oraEWk4zqoc
みんな本を持って舞台上に点在。
がくりょうを目で追うが、がくりょうが振り向いたら本に隠れる。

②うらせ
100Pより『バンザイ』 http://youtu.be/JGeKU30Ua6U
全員服を脱ぎかけた状態で乱立。その間をフラフラさまよう浦瀬さん(目が見えない)。

③かなえ
61Pより『図書館』 http://youtu.be/mR9GDoAq2vk
みんな原作本を持つ。点在する椅子の上に全員立つ。
イメージは「図書館で本を選んでいる場面」。椅子に立つ人びとは本棚役。高い位置で本を持つ。
それをかなえさんが跳びながら取ろうとする。
38Pより『脱走計画』 http://youtu.be/TMqrEZ9enQk
注射からの脱走計画。
みんなが動く木になり、逃げ回るかなえさんにいちいち集まってきて脱走を阻む。

④てい
61P『出席簿とカルテ』 http://youtu.be/sdalAOsCsaQ
転校を繰り返し、自分の名前が名簿をさまよっているうちにカルテを経由して墓に行き着くCのエピソードから着想。
舞台上で紙が行き来する様子をつくりたい。
紙を持ったでんさんが聞こえる程度のささやき声で名簿を読む(出席をとる)。
次に登場したひとがその紙をとる。そのときの紙の音を聞かせる。そのまま歩きながら同じように読む。
同じ要領で舞台上にどんどんひとが増えていき、紙は手から手に渡っていく。
最後にていが出てきて、みんないなくなり、ひとり残る。

⑤さえ
前髪を切ってしまったエピソードから着想。
舞台にみんな乱立。さえさんはその人たちのところをぐるぐるめぐる。
人びとは鏡として、自分の前に来たさえと同じ動きをする。
(はじめは前髪をいじる程度、少しずつ動きが大きくなっていく)
最後にさえさんが誰もいないところで髪をいじり始めたら、周りに集まってきて「髪のびろ!」という思いでさえさんの髪を引っ張るなどいじる。
108P『胎児』 http://youtu.be/Ym7NIg7DnAk
胎児のエピソードから着想。
洗濯紐をへその緒に見立て、さらにへその緒を糸電話に見立てる。
下手でさえさんが洗濯紐を持って横たわる(胎児になる)。
みんなは上手にいて、洗濯紐を通じてさえさんに呼びかけるなどアプローチする。
最後は「元気だよ」とさえさんが答えて終わる。

⑥でん
84P『名残りの階段』 http://youtu.be/v-fMqhClZ7M
Aの引越のエピソードを忠実に劇化(ちょっと課題を誤解していました)。
Aの通る階段を人間でやってみる。人間階段。
ちょっとあぶないので中断。みんなで考えてみます。
みんな横一列に高低をつけて並ぶ。手で階段の段をつくり、その前を通るでんさんに合わせて階段を踏む音を出す。
(階段のような鍵盤のような)
何度か往復し、最後に離れたところから「おーい」と呼びかける。
廊下に響く声として、みんなで「おーい」と答える。

⑦きく
58P『待合室』 http://youtu.be/OswfTfqWHkg
病院の待合室で名前を考える(頭の中の声が漏れている)エピソードから着想。
音楽に合わせて名前を言っていく。
8小節できくちゃんが「しーっ」と静まらせる。
音楽に合わせてみんな謝る。
今度は手元の新聞紙にクレヨンで名前を書く。それを破く。
くりかえす。

⑧ヤコ
71P『かくれんぼ』 http://youtu.be/gpaQWUH3hXU
父と娘のかくれんぼのエピソード。
みんな木になって舞台上に乱立。
観客を父として、ヤコさんは「隠れるから見ててね!」と観客に言って木々のあいだを隠れて回る。

⑨いまぎ
29P『コーヒー牛乳』 http://youtu.be/GrzgjPikcpY
コーヒー牛乳のシミから着想。
みんな舞台に乱立。舞台端でいまぎが転ぶ(持っていたコーヒー牛乳がこぼれて飛ぶ)。
みんなはその水滴となって飛び、そのまま舞台上でシミになる。
いまぎが「やばっ……」と言うと、みんな未確認生命体としていまぎを睨む。

稽古から約1時間後、ウォーリーさん到着。
さっそくお披露目すると「うん、いいんじゃないですか。どれも使えると思います」。

その後はいくつかのシーンをブラッシュアップしていきました。
以下、ウォーリーさんの指示の記録です。

「それぞれをもう少し強度のあるピースにしていきましょうか。じゃ、かなえさんの『図書館』からいきましょう」
「本棚の人たち、本が床と平行で直立になるように持ち方をそろえてもらっていい?」
「かなえさん、つま先立ちの状態を見せたいから、何度かつま先立ちになって手をのばす動作をしてからジャンプしてもらっていいですか」
「最初にがくりょうから本を取ってください。本を取ったら、取られたがくりょうは一度椅子に座ってかなえさんを見ましょうか。かなえさんはがくりょうと目が合ったらいまぎ君のところに行きましょう。で、がくりょうは浦瀬さんのところに取りに行ってみて」
「かなえさん、すごく静かな感じでできる?ほんとに図書館にいるときみたいに」
「今の動線でいいので、基本的に移動するときは本を読みながら歩いてもらっていい?あと、がくりょうは座らなくていいや。取られたらそのまま浦瀬さんのところに行ってください」
「かなえさんの芝居の話になっちゃうんだけど、普段は説明的に芝居をしてきたんだと思うのね。だから静かな印象がなかったんです。でも今やってるのは本を読むっていうことを課したので、すごく静かになったし、もっと静かになるとも思うんですね。以前いまぎ君も言っていたと思うんだけど、やっぱり説明せずにやったほうがいいと思うし、周りもやりやすくなったと思うんだよね。まあそういうわけで、今のシーン覚えておいてください」


「次、岩崎さんの『鏡』やりましょうか」
「始まりと終わりだけは分かりやすくしたいんですね。えっと、それじゃ岩崎さんがいまぎ君の前から去ったら、ていさんときくちゃんが同じ動きしてみてください」
「浦瀬さん、岩崎さんががくりょうの前からいなくなったら、客席側に鏡があると思って、女の子のつもりで髪の毛をいじってみてもらっていいですか。3秒ぐらいで終わっていいんで」
「岩崎さんはもっと髪の毛を切り過ぎた女の子を演じてもらっていいですよ。そっちが有機的になったほうが周りが無機的になりやすいだろうし」
「かなえさんの前でやる動き、固めてもらっていい?それをヤコさんとでんさんも同時にやってください」
「岩崎さん、それぞれのストップしてる姿勢からムーブメントにつなげていってもらえる?」
「えっと、移動中からムーブメントを始めてもらっていい?それで岩崎さんがでんさんの前に行ったあと、岩崎さんの移動に合わせてみんな少しずつ自分で身体をひねったり姿勢を変えたりしながら自分で動き始めて、最後に真ん中に集まるようにしてもらっていい?」


「今度はていさんの『名簿とカルテ』いきましょう」
「今のままだと名前が渡っているっていうのが分からないから、同じ名前をみんな言うようにしてみましょうか。ずっとぶつぶつ言いながら歩くんだけど、紙を持ったときにわりとはっきり言うようにするということで」
「さっきよかったのは手紙が大きくさまよってそこからテンポが良くなったところだったんで、あんまり同じところでぐるぐるしないで、広がっていくようにやってみてもらえる?」
「さっきのは奇跡的によかったんだねえ……(笑) みんな動画をまた観ておいてください」


【来週に向けて】
*来週はウォーリーさん早抜け。抜けた後は②をつくる作業を。
①先週と同じく。ポイントは「人びとの行き交うなかでじっとしている人」
②プロットを参照し、自分が演じる人間以外のものをピックアップして(紙に書くor事前にメールで送る)、ひとり芝居をつくってみる

みなさん、動画をぜひチェックしておいてくださいね!


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