2013年7月4日木曜日

【2013/06/26】306号室での最後の稽古

思えば26日は、市民会館306号室での最後の稽古でした。

アクターズラボの公演クラスでは参加者に主体的に関わってもらうことをひとつの方針としているので、呼吸らもその例に漏れず、小道具や衣装の調達・管理、web制作などの仕事をメンバーで分担しています。
ラボ高槻の場合、稽古は高槻現代劇場敷地内の市民会館305号室・市民会館306号室・展示室のいずれかで行なわれていますが、小道具が多い上に舞台装置としてロープを使っていた呼吸らは稽古の始めと終わりにメンバーでわっせわっせと準備・片付けに走り回ってきました(お疲れさまでした)。

306号室はもうひとつの公演クラス「劇団305号室」も別の曜日に稽古場として使っているので僕としては「高槻ラボといえば306号室」くらいの感覚なわけですが、それでも稽古がスタートすると同じ場所にいるという意識がすっかりなくなります。それは単純に舞台装置のせいなのか、ひとが変わるから場所も変わるのか、あるいはどちらも関係しているのか、理由はさておき場所の変容というのは興味深い現象だなあとつくづく思います。逆に変容するからどこでもいいかといえば、やっぱりその場所そのものにも愛着は生まれたりするわけで。

306号室は取り立てて便利な空間というわけではありません。舞台を横切るロープに洗濯物が干してあるという今回の美術プランを毎回仕込むのは結構工夫が要りましたし、事故になりかけたこともありましたし、稽古の動画を撮影するにもアクティングエリアが近くて大変でした。でもそうした不便さや大変だった記憶も含めて、306号室は呼吸らの稽古場だったんだよなあと思うとちょっと感慨深いものがありますが、勿論この頃の呼吸らにはそんな感傷にひたる余裕などなく、いつも通りギリギリまで稽古をして、いつも通りギリギリまで小道具の片付けをして、いつも通りあわてて建物を出たのでした。たしか。

第2期のウォーリークラスがどうなるのかはまだ分かりませんが、306号室は今後少なくとも劇団305号室の稽古場ではあり続けますし、また別の誰かの稽古場として創造の現場となっていくことでしょう。そのことに呼吸らや『星座から見た地球』は直接関係ないのかもしれないし、記録にすら残らないのかもしれませんが、場所の記憶として積み重ねられていくことに意味がないとも思えずにいます。


市民会館306号室には第1期呼吸らもいました。
そこで『星座から見た地球』という演劇作品をつくりました。



「すべてが足跡のように、消えてしまうわけではないのだ。」

【2013/06/25】創造と、何かを共有するということ

どうも森です。正直に書きます。
ブログを更新できずにいるうちに本番が終わってしまいました。

本番の日付のブログでまたあらためて御礼申し上げたいと思いますが、ご来場くださった皆さま本当にありがとうございました。
おかげさまでとても達成感のある上演となりました。



さて、それでは稽古を回想しつつブログをしたためていきたいと思います。



これまでのブログでもお分かりいただけるように、呼吸らの稽古場では「ケミカルダンス」「ドロップ読み」を筆頭に意味不明な言葉が飛び交っています。

ただ、これは呼吸らに限ったことではなく創造の現場とりわけ集団創造の現場ではよくあること。
最近は教育現場で演劇が活用される機会が増えていて、その際によく「コミュニケーション能力」という言葉で効果が語られたりしていますが、もともとcommunicationはラテン語のcommunis「共有のものにする」が語源で、いうまでもなく親戚にはcommunityがいます。
うんちくはさておき何の話がしたいかというと、稽古場にそこでしか通じない言葉が飛び交っているということは、そこにいる人びとが作品創造を通じて言葉にされた何らかの「共有のもの」を獲得して一種の共同体となっているということに他ならないのではないか、という話をしたいわけです。

もう少し平たく日本語らしい言い方をすれば、呼吸らは「ケミカルダンス」とか「ドロップ読み」とか言いながら何かを共有しているわけですが、一体何を共有しているんでしょうか。
それはまあ、例えば「ケミカルダンス」なら「あるダンスの振付を共有している」といってしまえば勿論それはそうなんですが、でもやっぱりそれだけではない気がする。なぜなら「ケミカルダンス」って普通に考えたら意味の分からない言葉だから。意味が分からないのにそのままになっているのは、表面の字面では分からないことがその言葉を使っている人たちのあいだでは共有されているはずだから。

とはいえ呼吸らが一種のcommunityとして共有しているものの正体を言い表すのは決して簡単なことではないでしょう。むしろ不可能で、どこか野暮で、そもそもひとつではなく、際限なく増え続けている気もします。

そのような営みは、そのまま『星座から見た地球』という舞台の内容にも当てはまるように思えます。登場人物たちについて観客のみなさんがはっきりと合理的に了解できることはあまり多くないかもしれませんが、ぼんやりと経験的に共有できることは少なからず散りばめられているはずです。



2013年6月27日木曜日

【2013/06/24】本番まで一週間を切って

どうも森です。
本番まで、いよいよ一週間を切りました。
今日からのブログは少し趣向を変えて(ネタバレ防止も含めて)、僕の所感雑感を中心にお送りします。

*このブログ投稿に書かれた公演日時に一部誤りがありました。申し訳ございません。修正致しましたので、ご確認ください。

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『星座から見た地球』
6/29 19:00 , 6/30 16:00 @高槻市立生涯学習センター多目的ホール 
作:呼吸らメンバー 原作:福永信(新潮社刊『星座から見た地球』)
構成・演出:ウォーリー木下(sunday/オリジナルテンポ)
公演情報・チケット予約:http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/worry.html

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Twitterで「いわれてみれば『星座から見た地球』は演劇的な小説かも」といったコメントをいただいたこともあって、稽古を見ながらこの作品のもつ演劇性についてぼんやりと考えています。まあ、もっと平たくいえば、この人たちは何を演じているんだろう、ということを考えています。

何を演じているのか、何かを演じるにはどうしたらいいのか、そもそも演じるとはどういう行為なのか……こうしたことは作品のなかでも言及されますが、稽古を見ていてもやっぱり考えさせられます。それはこの作品が固有の名前や人生を持った交換不可能な人物が決まったシチュエーションのなかで単一のドラマを紡いでいくようなもの(いわゆる近代劇)ではないからといえばそうなのですが、とはいえ、「演じる」という行為の意味も普通はそういう近代劇の形式を前提に「演じる=何かになりきる」と了解されているのでしょうから、あらためて、こういう作品における「演じる」の意味はずいぶん不可解なものに思えてくるわけです。

原作の『星座から見た地球』では、登場人物のAやBやCやDは、同じAやBやCやDという名前でありながらエピソードごとにどうやら違う人物らしい。つまりこの状態は、Aという何者かが、あるエピソードに登場するAという何者かを演じている、とも言い換えることができるはずです(きっとTwitterでコメントをくださった方はそのことを「演劇的」と指摘したのではないかと思います)。文字だけでつくられる小説という形式で人物名を記号にする、しかも名前とその人物を一対一で対応させないという発想によって福永さんはこのややこしい「AがAを演じる」という状態を仕掛けています。ではこれを演劇にするには演じているAにそのまま俳優を充てがえばいいかといえば、それでは記号の交換可能性がすっかり失われてしまうわけですから、『星座から見た地球』を普通の短篇集にしてしまうことになりかねません。となると、問題は「Aという記号を、どうやって交換可能な記号のまま演じるか」ということになり、これは先述した「演じる」の意味合いに対して矛盾をきたしますから、やっぱり「演じる」の意味合いについて別の角度から捉え直さなくてはならなくなってきます。

その試みとして今回の作品で意図されていると見受けられるのは、登場人物(今回の場合はAなどの記号)と出演者を一対一で対応させずに、複数の登場人物に複数の出演者たちで対応するという方法です。より平たくいえば、「演じる」という行為をみんなでやってみている、という感じでしょうか。それがはたして「演じる」といえるものかどうかは決めようがないし、もしかしたら「演技している」というより「何らかの振付にしたがって集団で動いている」といったほうが正しいと思われる方もいるかもしれません。とにかく今回はそんな方法を試みています。

この方法のおかげで、今回の作品では複数の出演者が無数の登場人物に見えたり、ひとりの子どもに見えたりします(うまくいけば)。『スイミー』というレオ・レオニが書いた有名な絵本がありますが、あんな感じでしょうか?あるいはそれこそ星座のように、ひとつひとつは見分けのつかない星々が星座になることで名前や物語を持ち始める、あの感じに近いのかもしれません。

今回の呼吸らの作業を見ていると、「演じる」という行為の意味もそういうことなのではないかと思えてきます。既存の何者かになりきるという、近代劇の場合とは少しちがった意味での何かになる行為。まだ何だか分からない何かにこれからなっていく行為。まあ、もしかしたら何だか分からないまま終わるかもしれませんが、それはもうご愛嬌ということで(笑)


「そんな話されても全然想像がつかないんですけど!」という方、是非劇場へお越しください。
もしくは第2期からの参加も歓迎しますよ!(←先週書いたことを思い出した)
http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/offer.html

いろいろお待ちしておりまーす。


2013年6月19日水曜日

【2013/6/17】劇のパズル

どうも、森です。

先週も書きましたが(そして来週も書きますが)、第2期参加者を募集中です!
http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/offer.html
直接口頭で伝えると「ああ、募集してますよね」「興味はあります」というお返事がほとんどですが、待てど暮らせど「参加します!」「見学させてください!」というご連絡がありません(あ、言っちまった)。
とにかく少しでも興味のある方はご連絡ください。よろしくお願いします。

それからお知らせがもうひとつ。
Twitterで毎朝(!)関西の公演情報を発信されている@DFG_Osakaさんが「演劇のしおり」というプロジェクトを開始しました。
よく書店のレジ横に出版社や展覧会のしおりが置いてありますが、演劇も書店さんと連携してあのしおりで広報してみよう!ということで試験的に展開中です。
で、その試験的に配布されているのが他ならぬ『星座から見た地球』のしおりなのです!
じゃあん
今回はお試しということもあり、配布部数や書店は限られていますが、見かけたら是非お手にとって持って帰ってご利用いただいて劇場にお越しください!


今日の稽古はアナグラムの確認をするところからスタート。
少しやってみて様子がわかったところで、次は伝さんとようこさんがやっていた夫婦の場面を確認。ウォーリーさん、いくつかのパターンを検討しながら全体の構成を考えているようです。

次は暗闇のなかで「演じること」について語る場面。
動きながらではなく呼吸音をみんなで出しながらの語りに変更し、さらに呼吸音の聞こえる暗闇のなかでの数人の会話にしてみます。
やがて呼吸音が大きくなるのに合わせて、気配を消しつつ舞台上を次のシーンの位置に移動、呼吸音をカットアウトしたところで照明が明るくなる、という段取りに落ち着きました。
現在どんな作業をしているのか把握できず困惑しているメンバーに「今はパッチワーク的な作業をしています」とウォーリーさん。
どうやらこのシーンはアナグラムの次に配置され、病院屋上のシーンに続いていくことになるようです。

というわけで、そのまま病院のシーンへ。
伝さん以外の全員でひとつの風景をつくっていたシーンでしたが、まず岳良に「ひとりだけ舞台上から遠く眺めている」という設定が、それからていさんに「洗濯物を干しているひと」、さえこさん・浦瀬さんに「看護婦さんと患者さん」という設定が付与えられました。
岳良が気付くのは遠くから接近する台風、そして岳良に加えて伝さんが「んん?」と気付いたところで一旦全員退場。
浦瀬さんを筆頭にみんな、鳥になって再登場します。
やたらかわいい鳥ら
一度やってみたのち一旦退場するのをやめて少しだけ動いて鳥になる、という段取りに変更。「鳥って電線とか木から飛び立っても少し飛んでからまた戻ってきて止まったりするよね」ということで、そんな動きも加わりました。

このあと父子になる岳良バードと浦瀬バード

5分間の休憩の後、鳥の場面の続きをつくっていきます。
紆余曲折を経てシーンの展開が決まったので要約してみました。

1.マージャン語(「チー」「ポン」「ツモ」等々)で話す鳥ら
2.鳥ら、ようこさんの「ロン」の一言で浦瀬さん以外が飛び立つ(=ハケる)
3.舞台奥を駆け抜けていく少女ヤコ
4.電線の上を歩く猫(さっちゃんのTシャツ)と小鳥の浦瀬さんが対決

……わからねえ!!
って、ましてやブログしか情報のない皆様方におかれましてはいよいよ意味不明のことと存じます。つきましては毎度のことで恐縮ですが、稽古場動画のほうをあわせてご笑覧いただければ幸いです。

鳥と猫の対決のあとは映画館の場面へ。
今まで舞台奥に映画館のスクリーンがあるものとして奥を向いて座っていましたが、客席のほうを向いて座ることに変更。
上映中の映画と、なぜか糸電話で会話する父子
「つまんない」とお父さん(浦瀬さん)に伝えたら「外に出ていていい」と言われた少年(岳良)。映画館を飛び出してデパートの屋上へ。
そこで少年は不思議なおじさん(伝さん)と少女(さっちゃん)に出会います。
伝さんから惜しみなく発揮される不思議なオーラに感化されていく岳良少年
なに、してるの…?
そのあとはもともと岳良がさっちゃんを追いかけるという展開でしたが、ひっくり返してさっちゃんが岳良を追いかけるという展開に変更。伝さんはそれを牛乳瓶の双眼鏡で観察し続けます。
さっちゃんと岳良と伝さんは様々な人びとが行き交う往来を歩いていきます。
やがて伝さんはイスに座り、段ボール箱を持って登場したようこさんによって場面は引越しの情景へと何気なく移行していきます(岳良とさっちゃんは追いかけっこをしたまま退場)。

ここまで決まったところで、今度は2分間の(たばこ)休憩。
休憩明け、幕開きから今つくった場面までを通してみました。

そのまま続きをつくっていきます。
このあとはようこさんが伝さんから奪った本を読むという場面でしたが、ようこさんに一度これまで通りにやってもらったあと、ようこさんではなく他のメンバーがすれ違いざまに本を断片的に読みつないでいくという方法を試してみました。

本の読みつなぎができたあと、Dのエピソードをドロップ読みする場面で紙飛行機を飛ばしながら読んでみるという実験をしました。
自分の読む箇所で紙飛行機を飛ばし、取りに行ってその場で止まり、また自分が喋るときに飛ばすのを繰り返します。
飛ばそうにも飛ばない紙飛行機に悪戦苦闘の呼吸ら。
紙飛行機だけじゃなく台詞もがんばってくださいね!

最後に「呼吸らのテーマ」を練習。でもやっぱりこれはむずかしい!?
稽古場にいらしてくださった作曲者の桂さんから拍のとり方など直接アドバイスしてもらいましたが、なかなか上手くいかずタイムアップ。
またがんばっていきましょう。



言わずもがなですが、公演のご予約お待ちしております。
ご予約はこちらからどうぞ ☞  http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/worry.html




2013年6月17日月曜日

【2013/06/12】ウォーリーさん帰還! 全体像を!!!!

この日は久しぶりにウォーリーさんがヨーロッパから帰ってきました。お土産のチョコレートを貰いましたよ!といった話は置いておいて、作品の全体像の話からスタートしました。報告者、伊藤です。

全体像の話と言えども、とりあえず今何ができるのかを明確にしないといけません。ウォーリーさんから送られてきていたテキストVer3なるものに、諸々演出段階でつみあがってきた情報を掲載し(ていさん有難う!)、そのデータをもとに、伊藤がシーン毎に分解。それをもとに、全シーンをまずはウォーリーさんに観てもらいました。

もっと簡単にすると、
1.ウォーリーさんの頭の中の絵が、バラバラな文字データで届く
2.俳優と演出家とで、それらを舞台化していく
3.2で行った事を再確認していく
4.再確認後に明確になったことを台本に追記していく
5.文字データをシーン毎に区切りながら、構成していく
6.もう一度ウォーリーさんと一緒にシーンを構成していく

ということです。
上記の3,4,5をウォーリーさん不在の2週間で行った感じですね。

さて、一気にウォーリーさんにシーンを観ていただいたわけですが、僕はシーンの完成度云々よりも、参加者全員がきびきびと動いている姿に、ちょっと感動してしまいました。普通の演劇の作り方とは違って、時系列的に作品が仕上がっているわけではありません。フレームだけをとにかく作ってきたような稽古の中、よくも頭がごちゃごちゃにならず、全シーンを演じていけている皆さんの姿が、とても良かったです。

さて、以下演出メモです。

===
開場中
服釣る、ひもつる。
段ボール2、3個
CTT方式で行く。つまり連鎖式。

SC0
CTTの流れのなかで、浦瀬:子供を演じるってどういうことだろう。子供を観察するっていうことでいいんだろうか。嬉しい時、悲しい時、怒っている時、大人もいろんな顔を持っている。大人も一人でいる時、いろんな顔をもっている。子供も学校にいるとき、家にいるとき、それぞれいろんな顔を持っている。

→シェイクスピアにつなげる。


がくりょう:これから演じるということについての劇をやるわけなんですけれども、僕らは役者で普段いろんな役を、


今木:ロミオ演じます
ようこ:あ、じゃあ私ジュリエット演じます

*ようこのセリフ、歌インで女性アンサンブルはベランダに。男性アンサンブルは、ロミオのベランダになる。
ようこ、今木は動く。ベランダを動かす。
*ようこ、今木はロミジュリを意識した格好。*僕はBです。で仮装を脱ぐロミジュリ

ポイント:人の壁をつくる。懐中電灯は使わない。

→SC1ー5(Aになります。Bになります。)につなげる

→そのままダンス(曲の入るタイミングを前倒す可能性あり)

*ケミカルダンスの続きはYoutube確認のこと。
http://www.youtube.com/watch?v=v6V-JdtTICI
http://www.youtube.com/watch?v=2QO1jm6q3sk


ダンス後は呼吸。
上下に懐中電灯をセッティング。

*その場でダッシュ、すぐに止まって呼吸。
*呼吸を変えていく。呼吸のテンポに合わせて、懐中電灯。
*そのままの流れで、呼吸ら文字。
*最後の呼吸。吐く時に、電灯をつける。


===

公演特設サイト
http://cokyula-1.theater-t.com/

2013年6月13日木曜日

【2013/06/10】今日も台本の流れを確認

どうも、森です。

ウォーリー木下クラスでは第2期の参加者を絶賛募集中!
興味ある方はぜひ稽古場に遊びに来てみてください!
http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/offer.html

この日はウォーリーさん復帰前の最後の稽古。
岩崎さんによるストレッチからスタートしました。
のびーるのびーる
今日も伊藤さんが代行。
「今日やることは事前にメールで連絡した通り」ということで、メールの該当部分を以下コピペ。

>今日は、
 呼吸らテーマソング、冒頭シーン、着替えダンス、台風のシーン、ラストの台風と胎児
 をやろうと思っています。


というわけで、まずは着替えダンスから。
岩崎さんがすでにつくってあるとのことなので、その振り付けをみんなに渡します。
とりあえずみなさんにペアになってもらいます。

【Tシャツ組】
ヤコさん・かなえさん
伝さん・きくちゃん
【ボタンシャツ、パーカー組】
ようこさん・今木くん
浦瀬さん・ていさん
さっちゃん・岳良

右側に名前のある人たちがシャツを脱ぎかけた状態で左右に動きます。
左側に名前のある人たちはその動きを「危ないよ!」と言わんばかりに止めます。
Tシャツ組は脱がせた服を整えたあと、そのTシャツを相方に穿かせます。
ボタンシャツ、パーカー組は動きながらシャツ(あるいはパーカー)を交換。
その後全員ペアでのミラーリングの動きとなり、やがてテンポアップして、ひとりひとりの動きが独立していきます。
呼吸らの稽古場はいつもふしぎ☆
着替えダンスの稽古動画 ☞ http://youtu.be/BZSmPGbasFE

のちほど伊藤さんが構成を整理するため、ペアにアルファベットを振りました。
A:浦瀬さん・ていさん
B:さっちゃん・岳良
C:ようこさん・今木くん
D:ヤコさん・かなえさん
E:伝さん・きくちゃん
(上と同様に、右側が服を脱ぐ人です)
あとは自主練でブラッシュアップしていきましょう、ということで次の稽古へ。


次は伊藤さんの知り合いの作曲家の方がつくってくださった「呼吸らのテーマ」のお披露目。
さしあたってみんなで聴いてみます。
それからさっそくパート(?)を振り分けて練習。
なかなか一筋縄ではいかず、これも練習ということで休憩へ。


休憩ののち、伊藤さんがまとめた新台本配布。
その台本にしたがって先週と同じように冒頭から場面を追っていきます。
ピナの『コンタクトホーフ』にもこんなふうに女性を囲む場面があった気がした
ほーら、あった。え、全然ちがう?
気を取り直して動画をどうぞ ☞ http://youtu.be/TI4bfSE2bMA




「Aになるのです!」「私はAです」…のくだりで一旦ストップ。
ウォーリーさんからの指示やポイントを確認し、段取りをこまかく決めていきます。
確認ののち、また冒頭から追っていきました。

そのまま次のケミカルダンスの確認へ。
動画はこちら ☞ http://youtu.be/3J2DTjxNXyw

次はウォーリーさんによって「台風のシーン」と名付けられたシーン。
一応動画に撮ってみましたが、ウォーリーさん、こんな感じでいかがでしょうか。

最後に明るい状態のまま、アナグラムをおさらい。


伊藤「これから稽古が佳境に入っていきます。小道具や衣装の動きも頻繁にあるし、シーンとシーンのつなぎについて細かい確認が出てくると思います。ただ順番にシーンが続いてくというよりクロスチェンジしていくようなところもあるので注意してください」
その後、台本の場面構成を初めから説明・確認。
呼吸らでは様々な課題に対するクリエイションを繰り返し、それをパーツとしてひとつのパフォーマンスをつくるというかたちを採っているので、どの場面にどのパーツが使われているのかということが非常に複雑。
本当に、よくみなさん把握できているなあと感心します。


次回は伊藤さんが執筆予定。
いよいよウォーリーさんが復帰します。





2013年6月6日木曜日

【2013/6/3】全体の構成が見えてきた???

どうも、森です。

リズールでのリーディングを無事成功させたからか、単純に毎日のように会っているからか、モチベーションが上がりっぱなしの様子の呼吸ら。
いつものように舞台をつくったり確認のやりとりが飛び交ったりとワイワイしているところへ、ヨーロッパのウォーリーさん(って書くと本当に外国人みたい)がSkype越しに登場。おひさしぶりです!

というわけでウォーリーさんにいろいろ確認。
まずは衣装チェックから。
用意した衣装を着たり当てたりして画面越しに打合せ
ウォーリー「白いだけだと寒々しいし、そういうパフォーマンスだと思われかねないので、白と何かの柄や色との取り合わせで。舞台に吊る服はカラフルになる予定なので、あんまり色味が強くないものを。スパッツやレギンスでアクセントをつくれるといいかも。服に映像を映すプランもあるので上のシャツ類は白で」
ウォーリー「靴は白で揃えなくてもいいかもね。みんなの動きやすい靴でもいいかな」
岳良「靴なら39マートが安いです。390円均一です」
ウォーリー「じゃあ、デザインが悪くなければそこで売っているものでお願いします」

服に映し出す文字の実験もSkypeビデオ通話で共有。
「テクノロジーを感じる…!!」とざわめく呼吸ら
暗くて何だかよく分かりません!
それからこの日、稽古の直前に送られてきた台本の新ver.ついて。
ウォーリー「今日はその台本つかわないで!また整えたやつを送ります」
伊藤「いやでも今日はこの台本に沿って頭からやってみようと思ってたんですけど」
ウォーリー「あ、じゃあお願いします」
というわけでなんだかんだ言いつつ、やっぱりウォーリーさんが送ってきた台本を頭からさらっていくことにしました。

ファーストシーンはYAKOさん伝さんが夫婦として登場。
夫(伝さん)は引っ越しの荷造りの最中に、段ボールに詰めるはずの本を読み始めます。
そこへ出てきて小言を言う妻(YAKOさん)。
浦瀬さん菊ちゃんが出てきて、そこからC.T.T.のように連鎖的に出てきて遊び始める人びと。
(なんだかんだ段取りを確認しているうちに妻を陽子さんがやることに)
妻が夫から本を取り上げると、妻と夫の時間が入れ替わり、妻は本を音読します(読む箇所はC.T.T.冒頭と同じAの引っ越しのエピソード)。

と、ここで伊藤さんが「はい、一度ストップ。ここまでのフレームを「C.T.T.」と呼びましょう」とシーンに命名。
さらにウォーリーさんから送られてきた台本をどんどん整理していきます。
「次の光のなかで踊る人たちとそのダンスについての台詞のところもひとつのフレームとします」
「その次のロミジュリ、これはやりましたね。ここもひとつのフレームです」
「それからケミカルダンス、これはこれでひとつのフレームにします」
「で、アナグラム。これもひとつのフレーム」
「その次に屋上のシーン」
「それから、小鳥。ここは浦瀬さんがメインのフレームですね」
「次は風が吹くブリッジ」
「図書館から潜水艦への場面、これは菊ちゃんが本を取ろうとするやつですね」
といった具合に、これまでのクリエイションを思い出しつつ、どの記述がどのシーンに該当するかをみんなで探っていきます。
それでも台本の最後のほうについては結局よく分からず……、とにかく整理できた部分まで通してみることになりました。

通していて迷わないように構成のカンペを用意。再整理してみました。
(知らない人には暗号)

冒頭だけですが通しの様子を動画でお楽しみください。
http://youtu.be/yAzIWcbXzE0
http://youtu.be/NPa_TABbOqo

「星座から見た地球」の影文字(「ら」)

こちらはメンバーのための記録の2枚。
図書館の場面の本棚の配置、ご確認ください。
図書館の本棚が人間になって迫ってくる「だるまさんがころんだ」の場面
こうして文章にしてみると軽く悪夢
通していたはずがいつの間にかシーンの確認作業になっていた稽古場。
それでも作品の全体像がシルエット程度には見えてきたかも???

この日はここでタイムアップ。
次回は小道具の用意や段取りを確認、誰がいうのか指定のない台詞を仮決めしていきます。