2013年4月10日水曜日

【2013/4/8】グループワーク&ディスカッション

どうも、森です。
今週も稽古場の様子をお知らせします。

先週の「何かわからないものを主人公にしたシーンをつくってみる」というワークから発展させて、今週は原作からインスピレーションを得てグループワークをしたり、ディスカッションをしたりしました。

〜まずはグループワーク(欠席もあったので多少グループ構成に変更がありました)〜

①かなえ・きく・さえチーム(モチーフ:犬)http://youtu.be/mr7AM2UaK90
<メンバーからの補足>
Dの犬の話。犬が同じルートをずっと我関せず回っているところ、一匹の犬なのに呼ばれる名前が全部違うこと、椅子をくぐったのは「犬をやるための四つん這い」ではなく「四つん這いにならざるを得ない状況での動きが犬を演じているように見えてくる」というふうに外側からつくりたかった。いつも同じコースを歩く犬の散歩をやりたかった。
ウォーリー「最後のはどういうこと?」
メンバー「文章にある「追いかけようとしたら捲かれた」っていうのをやりたかった」
ウォーリー「外側からつくるという発想は面白かった。椅子をくぐるときだけ四つん這いにするとか、リズムを変えてみたらよかったのではないか」

②岳良・ヤコチーム(モチーフ:チョーク)http://youtu.be/-u6-MRI6fqw
<メンバーからの補足>
チョークが文字通り身を粉にして黒板に書きつけられて、それがみんなのノートに書き写されて、さらに時間が経っていってみんなの記憶に残る様子ができればいいなと思ってやってみた。ヤコさんには最初書かれたものをやってもらって、それを自分(岳良)が体現していき、そのチョークが歴史になっていく……という展開を意図した。

③てい・浦瀬チーム(モチーフ:ボール)
http://youtu.be/qkov8oL1AH4 http://youtu.be/OHgi1gMw1Io
<メンバーからの補足>
原作に「ボールが単調なリズムしか刻めないから残念でならない」というくだりがあったので手鞠唄の「あんたがたどこさ」を歌ってみた。浦瀬さんや自分(てい)がボールを演じるところからスタートとして、その手鞠唄からいろんな遊びに発展させていった。

〜振り返り。自分の以外のグループについての感想を一言ずつ出し合っていきます〜
さえ「岳良とヤコさんのやつは人数を増やしてやってみても面白そうだと思った。音楽が強かったので、ちがう音楽をつかったらどんな感じになるか、シンプルなつくりだったのでBGMによって印象が変わる気がした」
かなえ「岳良たちの発表はそれだけでひとつのラストシーンみたいな仕上がりだった。ただちょっと、あれだけだとチョークということが分からず「いい物語だった」という印象だけが残る気がした。てい・浦瀬の発表は最初のボールを演じているところを膨らませて丁寧にしたら面白かったのでは」
岳良「てい・浦瀬チームは途中までの片方がボールを演じている状態が面白かったので、そのルールを維持していたら面白かったんじゃないかと思った」
ヤコ「最初のグループ(さえ・きく・かなえ)はずっと同じテンポだったのが観ていてしんどかった」
浦瀬「最初のグループ(さえ・きく・かなえ)は緩急があったほうが面白かったなと思った。岳良たちのは音楽がやかましくて、もっとゆったりした曲のほうが芝居が映える気がした」
てい「自分の好みの問題だけど、奇声が好きじゃないので最初のグループ(さえ・きく・かなえ)の発表はちょっと入り込めなかった。観ていて面白かったけれど、もっと普通に子どもの声とかでもよかったのではないかと思った。岳良たちのは「チョークが自分の身を削って歴史に残る」という内容だったことが(観ていて分かったのではなく)あとの補足で分かったので、もっと工夫できる気がした」
きく「岳良とヤコさんのグループは音楽に合わせてもっと展開させられたらよかったと思う。ヤコさんの声が音程と合っていてきれいだった。てい・浦瀬チームはボールの動きをやっていたのがおもしろかった。どうして「あんたがたどこさ」だったのかは少し気になった」

〜感想をシェアしたところで、先週出されたもうひとつの課題「原作から感じたこと・汲み取ったこと」を書き出す作業に移行していきます〜
自分のメモを見ながら、ホワイトボードをどんどん埋めていく呼吸ら
で、こんな感じ
〜書き出された言葉についてディスカッション。色・かたち・距離などでカテゴライズしつつ、それぞれのイメージをシェアしていきます〜

<まず気になった言葉を拾っていく>
「未来が切ない」
「温かい」
「ずっとおなじではいられない」大人になることを前提に書かれたわけではないけど、ずっと子どもではいられないということが全体を貫いているような気がした
「時間」
「そのように思うからそのようにみえる」犬と思うから犬なんだけど、自分には猫のようにしか思えないから、私には猫にしか見えない、みたいな。
「無感情」
「近い」星座っていうのは遠いイメージだけど、全体的に身近にあるまとわりついた感じの話だなと。
「まじゅつめいた気配」すっとそこに戻れてしまう感じを受けたから
「まるくてざらざらした物語」子どもが意味なく拾った石みたいなイメージ

<かたちに例えると?>
かなえ「のべーっとした感じ」
岳良「一定の凹凸」
ヤコ「アメーバみたいにその都度かたちが変わる感じ」
さえ「かたちというよりたくさんの線が交差している感じ(いろんな図形にも見える)」

ウォーリー「じゃ、みんなでチラシのラフスケッチを描いてみて」
みんな「えーっ!」
呼吸らによるラフスケッチ。はたして実際のチラシはどんなものになるんでしょうか。
<距離に関係しそうなものは?>
「低くて広い視野」
「あいまいな境目」
「遠い町」
「近い」
「大人ぶる」
「目(目線の高さ)」
「せのび」

<明かりに関係しそうなものは?>
「あかるい」
「薄もや」
「ほのぐらい」
「夕暮れ」

〜ここできくちゃんの書いた「この国のこども」が話題に。きくちゃんいわく「この国」というのは、日本ではなくこの本のなかの世界のことのようです〜
ウォーリー「それは重要かも。前にも昭和って出てきたし。どこの国の子どもにするかっていうのは大事なのかもしれない」

<「この(本のなかの)国のこども」の特徴を出してみよう>
・逃げ出すことが多い
・意地っぱり
・子どもらしくないのとはまたちがう違和感
・わがまま(嫌なことはやりたくない。好きなことは手放さない。我慢しない)
・素直
・名前がない
・自分が対等か、相手より上だと思っている
・ひとりでいるときが多い
・急にストップできない
・透明
・生まれる前とか死んだ後の記憶もある(赤ちゃんになって出てくる場面がある)
・歳をとらない/とれない
・遊んでいるところの情景が少ない(孤独な感じがする)
・現在生きているというより過去にいた感じ
・(子どもはたくさん出てくるけど)それぞれの親の印象は同じ
・動物と対話する
・実はしゃべってない(「」が文章に出てこない)
・子どもにだけ色がある(周りは無色)
・子どもの顔がない、思い浮かばない

〜「じゃ、これをやってみよう」とウォーリーさん。とりあえず適当にページを開いて題材とする箇所を選びました〜
①76PのBのくだり(ヤコ、きく)
②47PのBのくだり(てい、浦瀬、かなえ、岳良、さえ)

〜グループワーク開始。難航しているようなので、とりあえず途中経過をウォーリーさんに報告することに〜
①ヤコさん・きくちゃんチーム
①前半と後半で少しちがうことをしたい。前半では世界観みたいなものを表現する。「水たまりに雲が浮かんでて楽しいね」っていうやりとりを目線を合わせたりして表現して、ふたりで息を吹きかけて水たまりを壊して、そのあと猫と子どもに分かれようと構想中。
ウォーリー「ちょっとやってみて。(ふたり、やってみる)なんか水たまりなのが全然分かんないね。ケーキのろうそくを消しているみたいにも見えるし。ちょっと水たまりの特徴を言ってみて」
透明、ぴちゃぴちゃ、傘で突っつきたくなる、どろんこ遊び、鏡……
ウォーリー「鏡っていうのをやってみたらどうかな。ふたりが鏡の動きをするんだけど、吹きかけると揺れたりして。それがはじけた瞬間にはじけた動きからシーン転換につなげたりとか」

②ていさん・浦瀬さん・かなえさん・岳良・さえさんチーム
②(具体的に動きを決めつつあったようなので、ひとまず実演することに)
ウォーリー「今の2分くらいやっていたのを20秒くらいにしたらいいと思うのと、ルールに沿って動いていたと思うんだけどそのなかにある個人のクセみたいなのを消していったらいいと思うんだよね。あと数をかぞえてタイミングを合わせようとしすぎて上手くいかなくなってると思う。それと音を入れたいので、本で顔を隠しているときに目の前に書いてあることをぶつぶつ読んでもらっていい?」

〜それぞれ修正したのち、あらためて発表〜
http://youtu.be/doWfT465oHQ
ウォーリー「布を顔で隠しているのがおもしろかった。そんなに面白い布を持ってるならそれを水たまりにしたらよかったんじゃないかな」
http://youtu.be/SyehOgpQ_OU
「受ける側としてはやっぱり音の印象が強いと思うから、からだの動きでやっているのもいいけど、もっと音をうまく使ってみたらいいと思う」

ウォーリー「今の発表を見た感じだと、<からだをつかった状態><からだの状態から観客にイメージを喚起させる>ということが大切になってくるような気がするので、来週はそこを探っていきましょう」

〜というわけで、来週の課題です〜
「からだの状態と音を中心にしたアイディア出し」
ひとり2個ずつくらいアイディアを出してもらった上で、面白いものをパフォーマンスに発展させる作業をしていきます。



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