2012年9月10日月曜日

一人芝居の続き

一人芝居の続き

9月10日のワークです。あ、はじめましてウォーリーです。今日は伊藤君が東京出張でお休みでしたので、僕がブログ書きます。

僕が韓国公演に行ってる間に、みなさんには一人芝居を作ってもらっていました。
前回伊藤君がそれを見て、アドバイスをして、それから2週間。僕は初見です。
最初に客席を作りました。これはあとででてきますが、一人芝居にとって客席とどう関係を持つか、もしくは持たないか、というのはとても重要なファクターだと思っているので、稽古場の雰囲気ではなく、仮でも劇場のような場所で観客の前でやって欲しいと思ったからです。

発表の仕方は3人連続で1プログラム。1プログラムが終わると3分の休憩をとり、また次のプログラム。休憩の間に観客をしていた人は、今見た芝居の寸評と点数をノートにつけてもらいます。

今日は9人でしたので、3プログラム上演でした。簡易な照明とはじまりの音楽だけは流しました。
客席にはアトリエ劇研の杉山さんと高槻現代劇場の青木さんにも座っていただきました。

最初のプラグラムは
栗脇さん「ひとりスポーツ中継」・・ひとりで6つ以上のスポーツの中継をしながらその動きも喋りながらしました。台詞量も多く、なかなか激しいパフォーマンスでした。
ていさん「朗読劇」・・・オリジナルの小説を朗読。少しの動きを効果的に使っていた。
緑川くん「イス」・・・人生で座ってきたさまざまなイスのエピソードを短いシーンでいくつも断片的に描きつないだ意欲作。切り口もよく、最終的にこの作品がもっとも高得点でした。

二つ目のプログラム
上山さん「教室」・・・大学の教室で勉強するわたしの3分間をリアリズムでやり通した作品。これがなぜ「面白くなかった」のかは、あとで議論になる。
浦瀬さん「プレゼン」・・・どこかの会社、商品のプレゼンの練習をする上司と部下のやりとり。
菊池さん「電話ボックス」・・・最初はついてない女性のぼやき芝居かと思わせ、最後は電話ボックスに閉じ込められた女性が通りすがりの人に助けてもらう(観客に参加してもらった)意外な展開。
(ちなみに電話ボックスて懐かしいなと思い、ぐぐってたらこんなニュースがありました。電話ボックスに2年間閉じこもってる男ですって!一人芝居になりそうですね。http://gigazine.net/news/20100630_live_in_telephonebox/)

三つめのプログラムは
今木くん「せみの一生」・・・NHKのドキュメンタリー的なナレーションを発しながら、動きは緩慢に同じ動作を繰り返す。これも結果的に高得点でした。
岩崎さん「海」・・・イスがつみあげられた不安定な場所に寝そべる女。台詞は一切なく、歌を1フレーズ歌うのみ。そのことでここが海の上であることがわかる効果的な作品。第3位はこの作品でした。
ヤコさん「インタビュー」・・・インタビューを受ける女性のちょっとしたエピソードがおかしくもリアリティがある作品。

発表のあとにみなで意見交換。まずはこの9つの一人芝居をファクターで分類分けしてみる。
ファクターは「台詞の量」「客席を向く量(前振り)」「登場人物の数」「動きの量」「日常と非日常」の5つ。
相関関係としては、「登場人物の数が多いと言葉の量が増える」「言葉がなくてもよいものがあった」「前振りの人は台詞が多い」「動きの量と台詞の量は比例する?」「登場人物が多いと散漫になる」などなど。

(木下の雑感)
3分という時間の縛りの場合、何かを捨てる必要があり、それはひいては二時間の芝居にでも有効だと感じた。やはりやりたいことが明確なパフォーマンスは、「見るべきものが多い」気がする。
またこれも議題になったが、「余白が多い芝居と余白が少ない芝居」はどちらが面白いのか。と。言い方を変えれば「観客にゆだねる芝居」と「観客に答えを示す芝居」どちらが面白いのか。もちろん好き嫌いはあるだろう。でも「意味深なだけのアート系」と「薄っぺらいエンタメ系」のどっちが面白い?という質問が無意味なように、この疑問はあまり重要ではなく、観客のどの部分に「余白」を落とす落とさないという選択の話であると思う。「観客との心的交換」と言い換えてもいい。それを意識的無意識的に行うのがライブアートもしくはライブエンターテインメントにはなんにせよ必要だってことじゃないか? みなは「バランス」だということに落ち着いたが、バランスなのだろうか?うーん。
また上山さんの「教室」をどうしたら面白くできるのか、という議論も「リアリズム」というのをどうやって役者はメソッドとして構築することができるのか、という興味に繋がる。イッセー尾形さんとか、やはり演出家との執拗な共同作業が、あのスタイルの強度を高めてると思うし、新劇だって(メソッドありますよね)、青年団だって然り。やはり役者だけで構築するのはなかなか難しいのか。

・・・・
来週からの展開を説明。
木下「一人芝居をみなにして欲しかった理由は、観客とどう関係性を持つか、もしくは持たないか。舞台と客席の間にある壁の種類についてこれから考えていきたいと思ったからです。今後、どんな芝居をするにしろ、そこでの共通感覚がないと劇団としては弱いと思うし、そもそもそこに関して僕が一番興味があるからです」「また、11月の高槻路上演劇(仮)では観客席はないし、観客がいるのかいないのか、どんなことになるのかわかりません。安全な場所でもないし。ノイズも多い。路上パフォーマンスをする上で、このことはとても重要な意識訓練になると思います」

というわけで来週までの宿題は、
「今日やった一人芝居をどっか外でひとりで上演してくること」

みな「捕まりますよー」「変な人だと思われる〜」と心配そう。どうなることでしょう。

その後は、劇団名のアイデア会議第1回。1回目からなかなかいい名前が出ました。名前が思い浮かばない人はどういう集団にしたいかを言ってもらいました。
ウォーリーを探さないで」「みんなで遊ぼう」「ヒヤリハット」「相乗効果」「劇団ジェリービーンズ」「アクトロジカ」「まず生きなあかん」「ジェットコースター」「ピアチェーレ」「テンデメン」「アンダーマイスキン」など。
来週も続行。今度はなるべく日本語の名前を考えようということになりました。

それとホームページももうすぐできます。ヤコさんがデザイン・レイアウト全部やってくれています!すごい!
お楽しみに。

1 件のコメント:

  1. 詳細なブログありがとうございました。本当に大学のゼミのようにクラスが進行していて、参加している皆さんが「演劇」というものについて、どんどん理解を深めていっているような印象を受けました。「路上パフォーマンス」もどうなるかちょっと心配、ちょっと楽しみです。

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